間伐材利用の自然木フェンス
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開発の背景
杉、ヒノキの林業地では植林された樹木を間伐する(間引く )ことにより、残った木が大きくなります。間伐をしないと、生えている樹々全体が荒れてしまいます。そのため間伐することは、経済的活動として必須になります。また間伐をすることは林業地の土地、山を守ることにもなり環境の面からも必須です。
以前の昭和の時代では建設現場には足場丸太が数多く使われていました。これは間伐材そのものです。造園などにも多くの間伐材が利用されていましたが、時代の変化により足場丸太などの間伐材が使われなくなりました。そのため間伐材が売れなくなり、間伐しても山に放置されたり、また間伐をしないままになっていました。
そこで間伐材を利用する商品を当社は考え、1980年、1982年の2回にわたり大阪国際見本市に出展し世に問いました。この時に商品化したものの多くは失敗しましたが、得たさまざまなノウハウから自然木フェンスが誕生したのです。
コンセプト
コンクリートの擬木でなく、自然の丸太を利用し、強度があり、施工しやすく、後のメンテも簡単で、美しいデザインの木柵というコンセプトを考えました。
特長
1.従来の木柵では困難だった自然木の利用ができる。極端に言えば、曲がっていても、両端の径の大きさが違っていても利用可能。
2.公共用のフェンスとして、擬木フェンスよりも安価。もし製造時の炭素排出量など環境負荷を金額計算するとはるかに安価なものになります。
3.間伐材を丸加工せずにそのまま使うことができる。皮つきでも利用可能。
4.自然木をそのまま施工でき、自然の景観に溶け込む。
5.山中の自然の形状に合わせて施工できる。金属ジョイント利用のため角度が自由になります。
6.金属柱とも接合可能。市内や大型テーマパークでも採用されました。
7.金物が外から見えず、安全。一見すると構造がわからないくらいで、スマートです。
8.メンテナンス・変更等の際の取り外しが簡単。後々のメンテナンスのことは今まではあまり考えられていませんでした。
強度
斜面地や崖などにも設置しますので、強度があるように考えました。幸い屋外の木造施設の経験が長く、その中で鉄やアルミなどの金属部材も使うことも多く、篏合の技術もありましたので、木と鉄の長所欠点を利用した構造にしました。強度試験の結果は別表のように基準をはるかに超えたものとなりました。
評価
1.平成18年度大阪府ベンチャー新技術、転落防止柵最優秀技術として採用されました。
2. 自然公園など山間部での転落防護柵の自然景観との調和及び複雑な平面・縦断曲線への対応について、期待した効果が認められた。 経済性、施工性に優れており、本製品の普及が府内産間伐材の活用に寄与することが期待される。(大阪府から )
対応角度は金物が内付けタイプの場合です